「食べられるコーヒー」が、蔵前に初の旗艦店をオープン
2026年10月、東京・蔵前に「MOKABLE COFFEE CRAFT(モカブル コーヒークラフト)」がオープンしました。
「COFFEE YOU CAN EAT(食べられるコーヒー)」をコンセプトに掲げる株式会社モカブルは、コーヒー豆を丸ごと活用し、これまでにないコーヒーの楽しみ方を提案するスタートアップです。
東京都のスタートアップ支援事業「TIB CATAPULT」において、AgVenture Labが運営する「Sustainable AgriTech & FoodTech Cluster」では、昨年度、モカブルの国内外での販路開拓を支援しました。具体的には、国内百貨店での催事販売や北米市場への営業活動などを後押しし、新たな顧客との接点づくりに取り組んできました。
そして今回、こうした取り組みを経て、東京・蔵前に初の旗艦店が誕生しました。
百貨店や海外市場での挑戦を経て、今度は自らの店舗を拠点に、継続的なファンづくりへ。
その新たな挑戦の現場を訪ね、糸山代表にお話を伺いました。


モカブルを知り、ファンになってもらうための空間
今回の店舗について、糸山代表は、まずモカブルを知ってもらい、ファンを増やしていくための場所にしたいと話します。
そのための拠点として選んだのが、東京・蔵前です。日本人だけでなく海外からの来訪者も集まるこの街は、幅広い人々にモカブルの魅力を知ってもらうための場所として期待されています。
これまで百貨店の催事などで商品を紹介してきたモカブルですが、常設店舗であれば、商品を購入するだけでなく、その特徴や背景をじっくり知ってもらうことができます。
店内に足を踏み入れると、木の温もりを感じる落ち着いた空間が広がります。正面のガラス越しには製造スペースがあり、実際にモカブルがつくられる様子を見ることもできます。
商品を見て、知って、実際に味わう。そんな一連の体験を通じて、モカブルの魅力を伝え、ブランドへの理解や愛着を深めてもらうための空間となっています。


モカブルをより微細かつ滑らかにする工程がすぐ目の前で見学できます。



また、店内入口のカウンターでは、出来たてのモカブルがつくられており、漂ってくる芳醇なコーヒーの香りに誘われ、思わず試食したくなります。
「モカブルって何だろう?」という疑問に、まずは味わうことで答えてもらう。そんな店舗のコンセプトが、自然な形で表現されているように感じました。


商品の中で目を引くのが、世界各地のコーヒー産地をテーマにした「Terroir Journey(テロワールジャーニー)」です。
コーヒーは、産地や品種、栽培環境などによって香りや味わいが大きく異なります。その違いを、飲み比べるのではなく、食べ比べるという新しい楽しみ方を提案しています。
また、店内ではモカブルラテなども楽しむことができ、飲むコーヒーと食べるコーヒー、それぞれの魅力に触れることができます。

ラテは通常のコーヒーに比べ滑らかな口当たりがあり、より香りがダイレクトに味わえる感覚。
おいしさの裏側にある、サステナビリティ
一般的なコーヒーは、抽出後にコーヒーかすが残ります。自宅でドリップコーヒーを淹れる方なら、一度の抽出でもそれなりの量のコーヒーかすが出ることをご存じでしょう。飲食店やカフェでは、日々さらに大量のコーヒーかすが発生しています。
一方、モカブルはコーヒー豆から成分を抽出するのではなく、豆を丸ごと食品として活用することで、抽出後のコーヒーかすを出さない、サステナブルな商品設計を特徴としています。
北米市場では「ノーグラインド(No Grind)」という表現を用い、サステナビリティを重視したプロモーションを行っているそうです。
一方、国内市場では、サステナビリティを前面に押し出すのではなく、まず「おいしい」と感じてもらうことを重視していると糸山代表は話します。
モカブルを代替チョコレートとしてではなく、コーヒーが好きな人に楽しんでもらう新しいスイーツとして提案しているのも、その考え方からです。
おいしいから食べる。面白いからもっと知りたくなる。そして、その背景を知ることで、実はコーヒー豆を余すことなく活用していることに気づく。
サステナビリティを購入の理由として押し出すのではなく、おいしさや新しい体験の先に、自然と環境への関心が生まれる。
そんな考え方が、今回の店舗づくりにも込められているように感じました。

美味しそうな出来立てトロトロのモカブル
国内のサステナブルフード市場では、環境への配慮や社会的な意義を前面に打ち出した商品やプロモーションが多く見られます。
一方で、消費者の価値観や購買行動、昨今の物価高などを考えると、サステナブルであるという理由だけで商品を選んでもらうことは、決して容易ではありません。
そうした中で、まず「おいしい」「面白い」という商品そのものの魅力を伝え、その先にサステナビリティへの理解を広げていくというモカブルの考え方は、国内市場における一つの有効なアプローチだと感じました。
環境への配慮だけで選んでもらうのではなく、おいしさや体験としての魅力から、持続可能な食のあり方を広げていく。
モカブルの挑戦は、サステナブルな食品を消費者にとってより身近なものへと変えていく、そんな試みの一つなのではないでしょうか。
【店舗情報】
MOKABLE COFFEE CRAFT 東京蔵前店
所在地:〒111-0051 東京都台東区蔵前4-32-7 1F
営業時間:11:00〜19:00
定休日:不定休 (公式サイト等をご確認ください)
電話番号:03-5829-9644
オープン日:2026年10月5日
公式サイト:https://mokable.jp/pages/store
Instagram:https://www.instagram.com/mokable.jp/
