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2026-02-10
AgVenture Lab
受賞6団体を発表「第1回サステナブルガストロノミーアワード」発表会レポート【TIBカタパルト】

持続可能な食文化の実装を評価する国内初のアワード、受賞6団体を発表

一般社団法人AgVenture Labが代表事業者を務める「Sustainable AgriTech & FoodTech クラスター(SA&Fクラスター)」は2月10日、AgVenture Lab(東京都千代田区大手町)にて、『第1回サステナブルガストロノミーアワード メディア向け発表会』を開催した。

 

 

サステナブルガストロノミーの社会実装を評価

本アワードは、持続可能な食文化「サステナブルガストロノミー」を理念や一過性の取り組みにとどめるのではなく、事業や社会の中で継続的に実装してきた団体の実践に光を当てることを目的に、今回初めて開催された。

 

 

冒頭、主催者を代表してAgVenture Lab代表理事理事長の荻野浩輝氏が登壇。「サステナブルガストロノミーは人類と地球の健康を保ち、かつ経済にも貢献しながら食文化を守っていこうという取組み。今日お越しいただいているような事業会社のみなさん、本イベントの後援でもある東京都などの自治体、そしてイノベーターであるスタートアップとともに進めていきたい。」と多様な主体によるサステナブルガストロノミー推進の重要性を説明した。

 

 

来賓として登壇した東京都環境局の木村真弘資源循環計画担当部長は、都内の食品ロスの3分の1以上を占める外食産業でのロス削減の重要性に触れ、「2050年食品ロス実質ゼロ」に向けた都の取り組みを紹介をするとともに、サステナブルガストロノミーアワードによって、現実のビジネス・暮らしの中でサステナブルガストロノミーを実現するための取組の価値が正しく伝わる機会になればとコメントした。

 

アップサイクルビールを初公開

受賞発表に先立ち、SA&Fクラスターの活動報告と共創の成果が紹介された。SA&Fクラスターは現在までに34のプロジェクトを支援している。

 

その中から今回は成果事例として、スタートアップのBeer the Firstが新商品を発表した。この日にお披露目となった新商品は、明治のSNF原料(脱脂粉乳)と尾西食品のアルファ米端材を活用した2種類のクラフトビール「WHITE BREW(ホワイトブリュー)」と「RICE ALE(ライスエール)」である。

 

Beer the First代表の坂本錦一氏は「ラベルに猫を採用した理由は、かつてビール工場で原料の麦をネズミから守っていたという歴史的背景にちなんだもの」とデザインについて語った。明治の德井友香氏、尾西食品の栗田雅彦氏も登壇し、それぞれ原料提供に至った経緯を説明。販売については、成城石井での先行販売を皮切りに、紀ノ国屋やナチュラルローソンでの展開が決まっているという。

 

 

フード・アグリ両部門で計6団体を表彰

いよいよ受賞発表へ。今回は各部門で企業・団体枠とスタートアップ(イノベーター)枠の2団体ずつ、計6団体が表彰された。

 

アグリ部門では、ユーグレナとGreen Carbon(イノベーター)が受賞。ユーグレナは微細藻類技術を飼料・肥料まで展開し、人と地球の健康を同時に改善する取り組みが評価された。一方のGreen Carbonは、東南アジアで大規模に展開するカーボンファーミングの実効性が高く評価された。

 

フード部門は、明治ホールディングスとシーベジタブル(イノベーター)。明治ホールディングスは原料調達から商品化まで一貫したサステナブル経営の完成度の高さ、シーベジタブルは海藻研究から食提案までを一貫して行い、海の生態系回復と新たな食文化創出を両立させた革新性が評価のポイントとなった。

 

そして総合評価となる大賞には、不二製油とTOWING(イノベーター)が選ばれた。不二製油は植物性油脂・大豆たん白の技術を基盤に、サプライチェーン全体での環境負荷低減を企業戦略に組み込んだ点が高く評価された。TOWINGは独自の微生物技術による土壌改良で、収量向上とGHG削減を同時実現する点が決め手となった。

 

 

審査員の山田早輝子氏は不二製油について「食品産業の構造転換に直接的な影響を与えている」と講評。TOWINGについては日本プロ農業総合支援機構の玉井比佐夫氏が「土壌と炭素循環を起点にした農業モデルを高い完成度で実装している」と評した。

 

受賞者からは「社会課題を解決しながら、引き続きビジネスを展開していきたい」(不二製油・米元博子氏)、「食農文化は多くの人々が携わってできるものであり、単独では成し遂げられないため、引き続き皆様と協業しながら進めていきたい」(TOWING・木村俊介氏)といったコメントが聞かれた。

 

 

発表会終了後は展示ブースが開放され、各社の製品やパネル展示を前に、記者と登壇者の間で熱心な質疑応答が続いた。ディッシュウィルのプラントベースフードやオリゼの米麹グラノーラなど、サステナブルガストロノミーを体現する製品の試食も好評だったようだ。

 

<ブース出展>

  • ・東京都環境局:江⼾のこころで⾷品ロスゼロ!キャンペーン
  • ・株式会社Beer the first × 株式会社 明治、尾⻄⾷品株式会社:味わいとストーリーを両立した、サステナブルなクラフトビール
  • ・株式会社ディッシュウィル:美味しさを諦めないプラントベースのフォアグラ、フライドチキン、カヌレの展⽰とスライダーの試⾷
  • ・株式会社オリゼ:⽶麹の⼒だけで⾃然な⽢さを引き出した「⽶麹グラノーラ(ORYZAE)」
  • ・ASTRA FOOD PLAN株式会社:独⾃の乾燥装置で吉野家のタマネギ端材をアップサイクルしたオニオンパウダー「タマネギぐるりこ」

 

 

今回が第1回となる本アワード。来年以降も継続開催される予定で、持続可能な食の取り組みを可視化し、社会全体での機運を高める場として注目が集まりそうだ。

 

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