活動紹介Activity

2025-08-01
AgVenture Lab
地球と宇宙をつなぐイノベーション――食農×宇宙の共創イベント開催レポート

東京都のイノベーションクラスター創出を目指す「TIB CATAPULT」に参画する「Sustainable AgriTech&FoodTech Cluster」(運営事業者:一般社団法人AgVenture Lab)と、「MUGENLABO UNIVERSE」(運営事業者:KDDI株式会社)は7月25日、「食農×宇宙~地球と宇宙をつなぐイノベーション」をテーマとしたイベントを共同開催しました。 スタートアップによるピッチや、有識者パネルディスカッションを通じ、「食農」と「宇宙」の交点から生まれる新たな可能性を探る刺激的な機会となりました。 

  

冒頭では、KDDIとAgVenture Labがそれぞれのクラスターについて紹介。AgVenture Labが牽引する「SA&Fクラスター」は、食と農の領域での実践的イノベーションを目指すスタートアップと事業者・団体のプラットフォーム。一方、「MUGENLABO UNIVERSE」は、宇宙領域に特化したネットワークづくりと連携創出を軸に活動しています。 

■パネルディスカッション 
最初のセッションには、一般社団法人SPACE FOODSPHEREの菊池 優太氏と、株式会社インテグリカルチャーの川島 一公氏が登壇。このセッションでは、宇宙空間における「細胞農業」の可能性についてディスカッションを行いました。「細胞農業」とは、細胞培養技術を用いて、従来の生産方法で作られる肉や乳製品などと、全く同じものを作り出すことができる新しい生産方法です。細胞農業の発展の先には、家庭菜園のように、自宅で培養肉を作るような未来が訪れるかもしれないという興味深い話が語られました。


続くセッションでは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の鈴木智美氏、株式会社TOWINGの西田亮也氏が登壇しました。ここでは、宇宙空間における「植物栽培」の可能性を語り合いました。宇宙農業の実現のために月や火星のレゴリス(土壌のような物質)を耕作可能な土壌へと変換する研究や、無重力環境における植物栽培装置の開発など、宇宙空間における最先端の取り組みが紹介されました。


■スタートアップピッチ 
イベントの後半では、宇宙空間での活用も見据えた技術開発に挑む2社によるスタートアップピッチが行われました。 

まず、株式会社インターホールディングスが「真空率99.5%を誇る逆止弁付き真空ボトル」という鮮度保持のソリューションを紹介。その高い密閉性と鮮度保持性能を活かして、宇宙空間でも使える食・飲料用容器の開発に取り組んでいることが語られました。宇宙でも“おいしさ”を楽しむことで、宇宙飛行士のQOL向上に貢献することを目指しています。 
続いて、輝翠株式会社が、耕運・草刈り・農薬散布などをマルチ機能アタッチメントで担う、オフロード型自律走行農業ロボット「Adam」を紹介しました。Adamは月面ローバーの開発に携わっていた代表の知見を活かして設計されており、凹凸が多い土地や傾斜地においても活躍できる自動走行ロボットの開発に挑戦していくという意欲的な展望が語られました。


会場は、JR山手線で最も新しい駅「高輪ゲートウェイ駅」直結・KDDI高輪オフィスのイベントスペース。13階からの都心ビューを背景に、100名超の参加者が集まりました。 
会場入り口では、小学館「ゲッサン(月刊少年サンデー)」で連載中の人気漫画『ブループランター』の巨大イラストが来場者を出迎えました。宇宙農業科の1年生と実習助手の二人を主人公とした作品は、本イベントのテーマとも重なり、作者・笹乃さいさんと小学館のご協力による展示が、場を一層盛り上げました。 


今回のイベントをはじめ、AgVenture Labでは今後もTIB CATAPULTに参加する他のクラスターとの連携を広げていく予定です。分野を越えた出会いや対話から、想像していなかったような新しい価値が生まれることを楽しみにしています。 

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